平成30年警察白書 | 治安回復へ、15年の取り組み

7月24日、平成30年警察白書が公開されました。
平成29年の刑法犯の認知件数は戦後最少を更新し、ピークの平成14年(285万3,739件)の実に3分の1以下、91万5,042件に減少したと発表されました。

多少無理矢理ではありますが、単位人口あたりの認知件数に置き換えるとイメージがつかみやすく、平成14年には、100人の人がいればそのうちの2人以上が犯罪に遭遇していました。一学級が40人として、「クラスに一人」の感覚であったのに対し、昨年は100人のうち「0.7人」、つまり、100人ぐらいならだれも犯罪に遭遇していない、だいたい3~4クラスにようやく一人いるかいないか、という「学年に一人」に近いレベルまで回復しています。

白書では、街頭犯罪と侵入犯罪の減少が大きく貢献しているとしています。中でも街頭犯罪、ことに「ひったくり」の減少が目を惹きます。

平成30年警察白書・街頭犯罪と侵入犯罪の推移

一見するとオートバイ盗の減り幅の方が大きいように見えますが、そもそも国内のオートバイ販売台数自体が平成元年と比べると5分の1以下に落ち込んでいるはずですから、これは治安回復への努力が実を結んだというよりも、むしろ時代の趨勢と言えるかと思います。

街頭犯罪の大幅な減少は、地域住民の安全・安心を確保するための生活安全条例の制定や、防犯カメラの設置など、官民一体となった治安回復への努力の結果に他なりません。

一方で新たな課題として、ストーカーやDV、児童虐待など、絶対数は少なくても大きな割合で増えている犯罪があります。特殊詐欺の件数も増加し続け、被害額も増える一方です。

白書は「絶えず変化する犯罪情勢の分析を高度化し、その分析に基づいた取組を推進する必要があり、今後は、専門家や民間事業者の知見、人工知能等の技術を一層活用し、」「これまでにない手法や知見を積極的に取り入れながら、より効果的かつ効率的な対策を講じていく」と結んでいます。

よく、「世界で安全な国ランキング」のようなものを見かけますね。
数値化の方法にもよりますから、日本はおおむね3位~9位ぐらいにランク付けされているようですが、「15年で3分の1以下」にまで犯罪を減らした、そのたゆみない取り組みとこの国の叡智とに対し、「世界一」の賛辞を贈りたい気持ちでいっぱいです。

→平成30年警察白書へのリンク(警察庁のサイトへ)