東京高裁判事への戒告処分 |「品位を辱める行状」

平成30年10月17日、最高裁大法廷は東京高裁の52歳の男性裁判官を戒告とする決定をしました。(広く報道されている内容ですので経緯は省略します)

裁判所法49条にいう「品位を辱める行状」とは,職務上の行為であると,純然たる私的行為であるとを問わず,およそ裁判官に対する国民の信頼を損ね,又は裁判の公正を疑わせるような言動

のことを言い、

裁判官の職にあることが広く知られている状況の下で,判決が確定した担当外の民事訴訟事件に関し,インターネットを利用して短文の投稿をすることができる情報ネットワーク上で投稿をした行為が,裁判所法49条にいう「品位を辱める行状」に当たる

とし、14名の判事全員一致での決定に至ったものです。(平成30(分)1 裁判官に対する懲戒申立て事件 平成30年10月17日 最高裁判所大法廷決定)

全文を読むとよくわかるのですが、最高裁は決して表現の自由そのものを制限しているわけではありません。被申立人である男性判事の言動が、保証される自由の限度を明らかに逸脱していたことを咎め、戒めているのです。

裁判官の身分が最高規範である憲法においてまで保障されているのは、他者からの干渉を排除し独立を保ち、中立・公正な裁判をおこなう必要があるからです。我が国の司法はそうして信頼を築いてきました。

その中で被申立人は、裁判官であるということが誰にでもわかる状態で、人を傷つける結果になることが明白な行為を執拗に繰り返し、咎められても改めませんでした。

そんな人が、他人を公正・中立な立場で裁くことができるとはまったくもって思えませんし、そもそもその資格はありません。

さらに呆れたことに、少なからぬ弁護士有志が、「裁判官にもつぶやく自由はある」「人権を守る「最後の砦」と言われる裁判所の、その頂点に立つ最高裁大法廷が、その「砦」を自ら打ち壊し、裁判官の表現の自由に配慮しない不当決定を下した」などと、まったく論点のおかしな、意味不明の声明を発表しています。この人たちは法律家でありながら決定の全文を読んでいないのかと思います。

国民の司法に対する信頼を根底から揺るがせ、心無い表現で誰かを傷つけることも表現の自由であり許されると言うなら、そんな自由などこの国には1ミリも必要ありません。

 

本決定は大変わかりやすいものです。言葉も十分に平易です。下記に添付しますので、一人でも多くの方に読んでみていただきたいです。

平成30年(分)第1号 裁判官に対する懲戒申立て事件 平成30年10月17日 大法廷決定 (PDF)

 

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