全国初の試み | 千葉市パートナーシップ宣誓

8月下旬、こういったニュースが各紙の紙面を飾ったのをご記憶でしょうか。

同性婚カップルのみを対象にした同様の制度は、渋谷区と世田谷区、札幌市などでも導入されていますが、いわゆるLGBTと呼ばれる方に限定せず、同性を含むすべてのカップルを公的に認める制度は、全国で初めてのものです。来年4月までに導入されることが発表されました。


パートナーシップの定義

互いを人生のパートナーとし、次に掲げる事項を約した2人の者の関係。

  • 互いの合意のみに基づき、2者が同等の権利を有し、相互の協力により維持される関係であること
  • 同居し、共同生活において互いに責任を持って協力し、必要な費用を分担すること

千葉市公式ホームページより引用)


法に謳われる原則に限りなく忠実に、すべての市民を個として尊重しようという、素晴らしい理念であると思います。

同性婚、事実婚のカップルは、パートナーが亡くなっても、相続人となることができません。
もっと言えば、現行の民法では、親族であっても相続人でない者・・・長男のお嫁さんなど・・・には、仮に亡くなった方の介護をずっとその人が担っていたとしても、相続分は認められていません。感謝の気持ちを込めて財産を残したい場合は、①生前贈与、②遺言による贈与(遺贈)、③(この例では)長男のお嫁さんとの養子縁組 の、いずれかの方法を採用するしかありません。何の手も打たないうちにご本人が亡くなってしまえば、一人で介護のすべてを担ってこられたお嫁さんに遺産のなにがしかが渡るかどうかは、相続人の気持ち一つになってしまいます。

来年7月までに施行される改正民法では、法定相続人以外の方の貢献を考慮するために、「特別の寄与」という概念が導入されます。
仮に前述の①~③の何もせずに本人が亡くなったとします。本人には3人の子がいました。そのうち、同居していた長男は数年前に事故で他界しましたが、その後もお嫁さんは同居を続け、寝たきりになった本人が息を引き取るまで、他の兄弟の手を借りずに介護に尽くしたとします。
改正民法でも遺産分割は従来通り他の兄弟など法定相続人間のみで行われますが、お嫁さんは、特別の寄与に応じた金銭、「特別寄与料」の支払いを、法定相続人に対して請求することができるようになるのです。そうでなければ、遺産分割のために住居が処分されてしまえば、お嫁さんは無一文で行き場を失ってしまうことになりかねないからです。

この改正は、急速に進行している高齢化により、多くのご家庭において介護の問題がいかに身近で、大変であるかを象徴していますが、法はこのように、必ず時代に追いついてきてくれます。

それでもまだ、この概念の適用を受けうるのは「特別の寄与をした被相続人の親族」に限られており、事実婚、同性婚のパートナーは親族にはなり得ないため、適用外となります。(注:養子縁組していない場合)

事実婚、同性婚を民法上の婚姻とみなすかどうか。
憲法は、法の下においてすべての個の平等を認め、婚姻は(両性の)合意のみに基づいて成立するとうたっています。
私の不勉強で、過去のこの論点についての判例をすぐにご提示できないのですが、このテーマについてはそう遠くない将来、必ず私たちが真摯に判断すべきときが来ると考えています。

いまだ現実に埋められていない隙間に、すべての個人の尊重のために制度の橋をかけようとする大いなる試み。
それが、千葉市パートナーシップ宣誓についての私の理解です。

 

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