技能実習、失踪者数、特定技能1号、永住許可要件、そして多文化共生。

過去の投稿で、出処もよくわからない「技能実習生は平成29年に7,000人が行方不明」などの情報について、というよりも、それがどういったデータかの裏付けも取らず、検証もせずに数字だけ使う姿勢への危惧について書きました。

それからあれこれ探していたところ、見つけました。経済産業省のサイトで。

経済産業省トップ→ものづくり/情報/流通・サービス→繊維→審議会・研究会→繊維産業技能実習事業協議会

今年2月19日に、法務省が「「不正行為」について」というプレスリリースを出しています。それと全く同じものが上記第1回会合の場で資料として配布されていたのですが、繊維版には、データの出どころのわからない、体裁の異なる1ページが最後に追加されており、そこにありました。平成29年の失踪者数、7,029人。

資料4 技能実習制度の現状(不正行為・失踪)【法務省】(当該の1ページは最終ページです)

こ、これ?ページ数も振られておらず、用紙の縦横すら異なり、しかもExcelで1列付け足してるよね、罫線、罫線が・・・

その協議会に出席されていた方には、これがどのように得られた数値かの説明はあったのでしょう。そしてそれは信頼に足るものだったのでしょう。昨今この数字を振りかざす方々も、納得できる理由があって使っているのでしょう。もうそう思うことにします。

本質論を議論する以前の部分が気になりすぎて、気付けば結局自分が何を知りたかったのか、よくわからなくなってしまいました。


話は変わりますが、特定技能1号での在留期間については、永住許可要件のひとつである「連続して10年の居住、うち5年以上が就労資格」における、「就労資格」として認めない、という報道も出ていますね。見ているとだいたいいつも同じ新聞社が見切り発車的に流し、後から必死で事実関係の確認に走るようです。そもそもの姿勢が雑で、無責任ですね。何をしたくて、どこを向いて仕事をしているのでしょう。
ここ数日の菅官房長官の会見で何度も質問が飛んでいますが、「詳細は法務省に於いて検討中」「基本的には従来のやり方に沿って」といったレベル以上の回答は引き出せていないようです。

これまで、技能実習生は、修了すれば帰国するのが大前提でした。その時点で継続10年の居住要件については振り出しに戻ります。したがって、永住許可の指針に明示的に含める必要性はありませんでした。
改正法が成立すれば、技能実習から帰国することなく特定技能1号に移行が可能になります。
仮に技能実習を通算5年行った者が特定技能1号で5年在留し、試験を受けて特定技能2号に移行したとします。
そうすると、もしも特定技能1号を「就労資格」と認めると、特定技能2号に移行するのと同時に、その人は永住許可のガイドラインにおける居住要件を満たすことになります。これを認めるのか、認めないのか。

永住許可が下りるかどうかは案件ごとの審査であり全くの別問題ですが、これまでは考慮する必要のなかった条件設定が出てくるわけで、ガイドラインへの何らかの明示的な追加はなされるものと思います。
法律ではありませんから、あっさり変更になるると思います。

永住許可に関するガイドライン


私が住んでいるエリアには、それは多くの外国の方が住まわれています。もともと、江戸川区にインドの方が多く住まれ、同じ東京メトロ東西線の延長上にある我が街にも、インドや中国の方が大変多く暮らしています。この街で成人した子供さんもいます。(少し表現がヘンですね)

先日、近くのお肉屋さんに買い物に行ったときに、前の方が「ゲンコツある?」と言って大量のゲンコツを出してもらっていました。途中でその方の携帯に電話がかかってきて、聞こえてきたのは中国語でした。電話が長引いていたので私の会計を先にしてもらい、そこに戻ってきたその方に「先にやってもらっちゃいました、すみません」と言ったら、「イエイエこちらこそスミマセン」と笑いながら返事が返ってきました。
その足でスーパーで買い物をしてレジに並んでいたら、私の前に会計をしてもらった南アジア系の容貌の高校生ぐらいの男の子が、お釣りを床にばら撒いてしまいました。クルクル回っていた小銭を一緒に集め、最後の100円玉を渡してあげたとき、「ありがとうございました!」と、弾けるような笑顔とともにお礼の言葉が返ってきました。

「スミマセン」も「アリガトウ」も、我が街の外国人の方は、心から、その本来の意味を込めて伝えてくれます。
そしてこの2つは、わずか30分あまりの間の出来事です。
もしかしたらこれが「多文化共生」というものなのかな、と、あまりに近くに、あまりに当たり前に存在していたために、この出来事がきっかけでふと思いました。

外国人が増えれば治安が悪化する(との懸念)、など、短絡的な表現が相変わらず報道の現場や、いみじくも国民の代表の集まりたる国会の論戦の場ですら使われているようですが、先日の読売新聞社の世論調査では、確か半数以上の回答者が入管法改正に賛成だったはずです。(うろ覚えなので数値など詳細確認中)

私たち一般市民一人一人が身に付けている感覚が、時として何よりも正しく、尊重されるべきと思うのですが、いかがでしょうか。

 

 

 

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